現代に受け継がれる、
家康公ゆかりのお茶

静岡市は、1603年に江戸幕府を開いた徳川家康公が晩年を過ごした地としても知られています。1607年、家康公は駿府城へ入城して隠居の身となり、以後、茶の湯を楽しみました。

家康公は安倍奥の井川大日峠にお茶壺屋敷(お茶蔵)を設け、「御用茶」として献上された安倍茶(後に「本山茶」と呼ばれる)を名器の茶壺に詰めて、風味が損なわれないよう保管を命じました。家康公は、標高1200mの冷涼な環境にあるお茶蔵で夏の暑さから守られたお茶を秋の頃に駿府城に運ばせ、味わい深い風味を楽しんだと言われています。

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現代に復元された「お茶蔵」
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お茶壺屋敷跡

静岡市では、この故事にならって毎年、半年間にわたる一連のイベントを開催しています。
5月の「茶詰めの儀」で茶壺にお茶を詰め、冷涼な井川大日峠、お茶壺屋敷跡付近に復元された「お茶蔵」で、夏の間保管・熟成させ、10月下旬に「蔵出しの儀」で茶壺を取り出し、その茶壺を「お茶壺道中行列」で井川から駿府城公園等市内を経て久能山東照宮へ運び、「口切りの儀」でお茶を取り出し奉納します。

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徳川家康(1542~1616)
豊臣秀吉の死後、戦国の世を平定し、1603年に征夷大将軍となって江戸幕府を開く。幼少期を今川氏の人質として駿府(現在の静岡市)で過ごし、晩年は大御所として駿府城へ入城した。